3月 弥生(やよい)
自然の大地が春の到来を感じ、草木が徐々に芽吹き、成長する時期。
「やよい」は“イヤオヒ”=草木が茂るという意味の言葉が変化したものといわれています。
江戸中期の歳時記に、“いやおい月に草木がいよいよ生い茂る” “いやおい月”などがあり、これらの記載から、のちにこの時期を「やよい」と呼ぶようになったようです。
弥生のこよみのお話(音声)
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弥生の主なこよみ
ひな祭り
平安時代、旧暦の三月三日に紙で人の形を作り,この「ひとがた」で体をなでて身の汚れをそこに負わせ、海や川に流す「はらえ」という習慣があった。この人形(ひとがた)と飾って遊ぶ人形とが結びついて、雛人形となり、雛祭りとなったといわれる。
千利休忌
千利休(安土桃山時代の茶道家)の忌日で、表千家では三月二十七日、裏千家では翌二十八日になっていて、ともに利休家を掲げ供養する。その際の調度はすべて利休の遺品を使う。
二月堂お水取り
三月十二日から十三日まで行なう奈良東大寺羂索院(二月堂)の行事。このお水をいただけば諸病厄除の効があるといわれ、又、この行事がすむと奈良に春がやってくるともいわれる。
彼岸入り
春分、秋分を中日として、前後の七日間を彼岸という。お彼岸は正しくは彼岸会(ひがんえ)と称し、団子やぼたもちを仏さまに供え、祖先の墓参りをする日。梵語では波羅密多といい、現世の煩悩の此岸を離れて涅槃(解脱超越)の世界に到着する意味だが、出家した人はともかく、在家の人間にある期間だけでも彼岸を求めさせようとしたのが彼岸会の起こり。春分と秋分には太陽が真西に沈むので、西方極楽浄土を望む便宜としてこの時期を選んだものらしい。
暦の用語辞典
[啓蟄]
寒さにちぢこまっていた土中の虫達が動き始め、穴から出てくる。草木の芽が萌える季節。
[春分]
彼岸の中日。昼と夜の長さが等分となり、つばめが渡ってくる季節。国民の祝日で、お墓参りをする時。
[大つち・小つち]
庚寅の日から七日間を大つち、戊寅の日から七日間を小つちと言って、動土、穴掘りには凶日とされている。土公神様と同系の暦注です。
[天しゃ]
天が種々を赦す日と書く。あらゆる災いを除き、何をやっても大安吉日。
[天一天上]
宇宙を司る最高の神様が天上におられる為、方位の吉凶はなく、結婚や旅行などには最高の日と言える。
[不成就日]
障りがあって物事が成就せず、悪結果を招く凶日とされている。特に結婚、開店、柱立て、命名、移転契約ごとなどには不向きで、この日に急に何事かを思い立ったり、願いごとをすることすらも避けるべきだとされている。