3月1日「修二会」のお話

今日は3月1日、修二会の始まりです。東大寺の修二会の正式名称は、十一面悔過といいます。二月堂本尊の十一面観音菩薩様の方前で日々の過ちを懺悔する行は、3月1日から二週間にわたって行われています。修二会は、奈良時代から絶えることなく引き継がれています。今年で1274回目を迎えます。
かつては旧暦2月1日から行われる法会なので、お堂を二月堂と呼ぶようになりました。若狭と繋がる井戸から香水とも称しますが、これを汲む儀式のお水取りは行中の12日の深夜、クライマックスを迎えます。
多くの僧侶から選抜された練行衆の韃靼の荒行は、神様と仏様、火と水、これが対峙する壮絶で、過激な祭祀ではないでしょうか? 二月堂の欄干を走る大松明、そして火の粉を消して歩く後者の方々、真夜中の道内で韃靼の膝を打つ音に、人類にはなくてはならない根源的な感動と感謝に心が震えるのではないでしょうか?
私はこの数回この法会で局(つぼね)と呼ばれるところに伺うことができました。