5月29日「雪形」のお話
山に残る雪が描く岩肌の模様のお話です。春になると、高い山々の雪がとけ始め、残雪と岩肌が色々な形で見えることがあります。これを「雪形」と言います。
昔の人はこの形で季節の移ろいを知り、農作業の目安としていました。 雪形には、残雪で白く形が浮かび上がるものと、雪がとけて山肌が黒く浮かび上がり、何かの形に見えるものとがあります。
有名なのが北アルプス白馬岳の「代掻き馬」のほか、乗鞍岳の「種まき爺さん」等、ほかにも雪型の有名な山は各地に沢山あります。農作業の手を休めて、ふと見上げる山肌の雪形からは、人が自然と共に暮らし、生かされていることを実感できるのではないでしょうか。
しかし近年は、地球温暖化の影響で、雪解けが昔より早くなり、季節感のズレが生じているようです。